畑ではさつまいも掘りが終わり、里芋掘りに取り掛かっています。そろそろ大豆の収穫も始まります。ちょっと変わったものとして、今年初めて「えごま」を育ててみました。村の先輩から苗を頂いたので、猛暑で干からびた畑の隅っこにダメもとで植えておいたんですね。しかし驚異の生命力でしっかり根付いて見事に実ってくれました。在来作物の生命力を痛感した次第。これから水洗いしてごみと選別して。。。色々手間がかかりますが、自家用の息抜きでのんびりやってみます。
そんなこんなで、収穫の秋は色々と作物の残渣が出ます。稲刈りをすれば稲わらやもみ殻、そばを刈ればそば殻や葉や茎の残渣(下の画像)などなど。それらを仕事の合間にせっせと集めて運んで堆肥場に集積しています。今年は農園史上最大級の山ができつつあります。これから冬になれば山に入って雑木林の落ち葉をさらって、出荷で出る野菜残渣もなんでも混ぜて発酵させて堆肥を作ってゆきます。この堆肥が土作りのベースになります。露地栽培の場合はしっかりした土を作ることが、近年の異常気象への最大の対抗手段になるのです。
というわけで、昨年は寒い秋で苦労しましたが、今年はリベンジできたかなと思います。しかし問題が。。。10月からずっと暖かすぎ!霜は降りましたが、今度は野菜の成長が進みすぎる心配に気をもみ始めた今日この頃。やはりお天気に振り回されるのは農業の宿命ですな。
それでも最後にもう一回、強がらせて下さい。その宿命と謙虚に向き合えるのが一次産業の幸福なのだと。

ハウスのミニトマトも色づき始まりました。毎日せっせと潅水しています。また、今年から新たに雨よけハウスを2棟建設して、1棟でパプリカ、もう1棟でイタリアントマトを作付けしています。ミニトマトは来週あたりから。イタリアントマトは8月からお届け予定です。

バジルも色々ありますので、ほしい方はご連絡くださいね。
こちらは露地で育てているピーマン類。
そして、みなさまお待たせしました!夏の役者、枝豆の「湯上り娘」今週からお届けです。ズッキーニが夏バテした後に控えるコリンキーも、少しずつ膨らんでおります。

今年初めて作った「食べきりバターナッツ」。やたらと成っています。若採りしてズッキーニのようにも食べられるとか。楽しみです。右は今が盛りのキュウリの花です。今年はミツバチがすごく少ないのですが、早くも出荷しきれないくらいの収穫に追われています。

バジルと青シソ。
ツルムラサキ(手前)と空心菜2番手(奥)。
野菜を育てる土に無理をかけないように、毎年30アールほどでホウキモロコシを育てて、1年間完全に畑を休ませています。育てた草は、東京の箒職人さんが刈り取って、手作り箒に生まれ変わります。私も少しは作ります。。。木の里農園の農業を通じて、日本の伝統的な手仕事のお手伝いができるのは、大きな喜びでもあります。
そしていよいよじゃがいも掘り始まります。左上から時計回りにチェルシー・サッシー・ノーザンルビー・キタアカリ・シャドークイン・アローワ・グランドペチカ。今年はこのラインナップでお届けします。
先日の満月の夕暮れ。日中汗にまみれて働いて、陽が落ちてから飲むビールは最高であります(笑)
そもそも有機農法というものは、土作りや自然のシステムを生かす方法であり、本来気候変動や異常気象には強いと言われています。しかし、どんなに優れた技術や土壌があったとしても、その土台には太陽からの日照がある。そこは痛感しました。じゃあ今のうちの野菜供給を支えているものは何か?それはとにかく毎日やみくもに様々な作物の種を播き、植え付けてきたこと。。。。。つまり多品目栽培にあると言えます。リスク分散ですね。
生産効率を無視したこの手法こそが皆さんの日々の食卓を支えているのです(笑)その根底を突き詰めてゆくと、それは「売るために作る」のではなくて、「食べるために作る」という、私たちの永遠のアマチュアリズムがあるのかも知れません。
でも本当はやはりこういう安易な結論じゃなくて、気候変動にも揺るがない、しっかりと作物の成長を支え続けられる農業者でありたいものです。決して偉そうに言える話でもないので、今日はこの辺で。今は冬から春に向けての畑の準備と種まきに追われています。
半年後を見越した作付と(半年後に後悔しない!)、もっと大きな流れの中での土を見つめること。
まだまだ勉強してゆきたいです。